高付加価値植物の生育制御 -百花蛇舌草の生育制御

白花蛇舌草(ビャッカジャゼツソウ、Hedyotis diffusa)はフタバムグラ属アカネ科の植物であり、和名はフタバムグラである。本州、四国、九州、沖縄及び朝鮮半島、中国、台湾、熱帯アジアに分布し、畑地、道端、湿地等に生える一年草である。 白花蛇舌草は急性リンパ球型、顆粒球型、単核細胞型、慢性顆粒型の各腫瘍に対して強い抑制作用があり、急性リンパ球型、顆粒球型腫瘍については特に強い作用がある。また、煎剤は、試験管内で黄色ブドウ球菌、赤痢桿菌に対して微弱な抗菌作用と消炎作用があり、消炎、解毒、利湿薬として肺熱、喘咳、扁桃腺炎、咽頭腫痛、黄疸、でき物、毒蛇咬傷等に使用されている。成分はヘントリアコンタン、ウルソール酸、オレアノール酸、クマリン等であり、全草に含まれている。また、イリドイド配糖体も白花蛇舌草の有効成分の1つである。イリドイドはテルペノイドのうちのモノテルペンに属しており、その多くは配糖体として存在している。本研究ではイリドイド配糖体の中でasperulosideにのみ注目した。Asperulosideには抗腫瘍活性、抗脂質過酸化作用および抗血管形成作用などの薬効があることが認められている。

本研究の目的は植物工場における白花蛇舌草の栽培環境制御技術を開発することである。栽培環境を人工的に制御できるという植物工場の特色を活かして様々な環境下で白花蛇舌草を栽培し、成長およびasperuloside含量に栽培環境が与える影響を解析することで、栽培に最適な条件を解明する。

これまでに光量と明暗周期がasperuloside含量に与える影響について明らかにした。現在は気温および光質がasperuloside含量に与える影響について解析を進めている。