光環境制御による葉菜中硝酸イオン濃度低減化技術の開発
硝酸態窒素は植物の成長に欠かせない必須栄養素です。しかし、高濃度硝酸イオンを含む野菜を摂取すると人体に有害な場合があります。EUではすでに野菜の硝酸イオン濃度に規制がかかりました。日本ではまだ規制はありませんが、低硝酸野菜の生産は食の安全・安心という社会に要請に応えることになります。硝酸の葉中における代謝は硝酸還元酵素により促進されますが、この酵素は光条件により活性の影響を受けることがわかっています。光条件は光量と光質及び明暗周期によって決まります。光強度による影響については当研究室で詳しく解析を行いました。現在光質による影響を詳しく解析しています。 光質は光に含まれる波長により定義できます。クロロフィルが吸収する光は波長660nm付近の赤色と450nm付近青色ですのでこれらの光のみを使用して栽培実験を行っています。光源にはLEDを使用し、赤と青の光量子束密度の比であるR/B比を調節し、硝酸イオン濃度と成長に与える影響を解析しています。 また、低硝酸野菜を生産する技術を開発するためには野菜中の硝酸イオン濃度を非破壊かつリアルタイムで測定する手法が必要です。現在、この手法を開発するために近赤外線分光法を使用した解析も行っています。 |