葉面内硝酸濃度分布計測法を援用した硝酸還元酵素遺伝子発現を誘導するシグナル伝達物質同定 | 神戸大学 生物生産情報工学研究室

葉面内硝酸濃度分布計測法を援用した硝酸還元酵素遺伝子発現を誘導するシグナル伝達物質同定

葉中の硝酸代謝は硝酸還元酵素により促進されますが、この酵素の活性は光条件の他に硝酸イオン自体によっても活性化されるとされています。細胞中に硝酸イオンが輸送され、細胞中の硝酸イオン濃度が高まると硝酸還元酵素が活性化され硝酸代謝が促進されるということです。

これまでは葉面内の硝酸イオン濃度分布を精密に測定することができなかったため、上記の説は葉単位など非常に空間分解能の荒い解析結果です。そこでハイパースペクトルカメラによる葉面内硝酸イオン濃度分布を精密に計測して硝酸イオン濃度が濃い部分と薄い部分を特定して硝酸還元酵素活性を測定することにより上記の説を確かめることを目的としています

実際に硝酸濃度の葉面分布を可視化し、硝酸高濃度部と低濃度部を特定することができました。高濃度部と低濃度部を切り出して硝酸還元酵素(NR)遺伝子の発現量を実際に測定しました。NR遺伝子の発現量はNR-m-RNAをRT-PCR法で増幅し電気泳動法で定量しました。NR遺伝子発現量と硝酸イオン濃度との関係を統計的に解析して研究を進めています。