植物成長モデルの解析
 |
気温，湿度，二酸化炭素濃度，光強度など栽培環境入力とその結果である生体重や外観品質など出力との関係を数理的に解析して環境入力から出力値を予測する手法の開発を目的としています。現在では環境入力と植物成長との間の関係が定量的に予測できるような実用的な手法はあまり見られません。そのため生理障害などが発生するとどの環境要因が原因でそれが生じたのか特定することが困難な状況です。また，もしも入力と出力を関係付ける成長伝達関数が既知であれば環境入力から植物成長が予測できると同時に生産コストも予測できるようになり，諸物工場経営にも役立ちます。そこで多変量解析法やシステム同定法などを使用して植物成長伝達関数を求めようとしています。実際に栽培環境を一定に保つことができるグロースチャンバーを使用してレタスを栽培し、環境と成長の間の関係を解析しています。 植物工場内の環境設定値は工場の管理者が決定しています。その判断基準は管理者の経験と知識によっています。即ち栽培植物の成長診断を行ってその結果に基づき環境設定値を決定します。この視覚的な情報から成長診断をする部分を機械で自動化する手法を開発することを目的としています。即ち，デジタルカメラなどの視覚センサとコンピュータで成長診断を行う手法を開発しています。 この技術に加えて，診断の結果を基に環境設定を自動的に決定する手法があれば診断から環境設定の決定までを自動化することができ，客観的な基準に沿った植物生産の自動化が実現できます。 |