力学的物性と品質との関係解明

現在、食品用として栽培されている植物には、多くの品種があります。生産農家の品種選択基準は、栽培の容易さ、収量の高さ、取り扱いの良さなどですが、一方の消費者は、外観、食味、食感などを選択の指標としています。このうち、食感には明確な判断基準がなく、定量的なデータの収集方法が必要とされています。図は、根深ネギの食感の違いを示したものです。ネギを歯で切断するときを模した機械を製作し、ネギの組織が破壊・切断されるときの音や振動を計測し、数学的にグループ分けしたものです。根深ネギは大別して、加賀群、九条群、千住群の3種類に品種が分けられることが知られていますが、機械で計測した指標は、その3群を区別できることが明らかになりました。また同一品種群内においても、品種ごとに食感指標が異なることがわかりました。また、ちょっと変わったネギである下仁田ネギの食感指標(図中S)は、主要3群のいずれにも属さないことが示されました。このように、食感の特徴を機械で測定し、定量的かつ客観的な品質評価指標を開発することを目指し、研究をしています。